退職理由の嘘は法律的には?
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会社を退職する決意をした際、上司にその旨を伝えると必ず聞かれるのが退職理由です。”人間関係が悪いから”、”給料が安いから”など本音は様々でしょう。しかし、そのまま伝えるわけにはいきませんよね。
社員をなかなか退職させてくれない会社の場合、“引っ越すから”、“結婚するから”など嘘の退職理由を言って退職する人もいるのでは?しかしながら、退職理由の嘘がバレてしまった場合、法律で罰せられてしまうことはないのでしょうか?
退職理由の嘘は法律的には?
◆退職理由で嘘をついたら法律的に罰せられる?
結論から言うと、嘘の退職理由を告げて後からバレてしまっても、法律的に罰せられることはありません。
法律で”退職理由がないと退職できない”という記述がないからです。そのため極端な話、退職理由を会社に伝えなくても法律で定められている期日である2週間後には退職できます。
むしろ、退職の意向がある労働者を無理やり引き止めて退職させないことを会社が行うと、労働基準法違反となります。会社がどうしても退職させてくれない場合は、ハローワークや労働局に相談しましょう。
しかし以下の場合、会社が訴訟を起こすと罰せられてしまう可能性があります。
・嘘の退職理由を告げて法律で決められている退職期日(2週間前)よりも早く辞めた場合
・契約社員で嘘の退職理由を告げて契約満了日よりも前に辞めてしまった場合
退職理由の嘘がバレて退職し、会社に多大な損害を与えてしまった場合、稀ではありますが、会社から訴訟される可能性があります。注意しましょう。
◆法律的に罰せられなくても嘘はつかない方がいい
これは、私が以前勤めていた介護施設の話です。ある社員が、腰が痛くて私生活にも支障が出るようになったので、今日限りで辞めさせて欲しいとの申し出がありました。
就業規則では、退職の1か月前に告げるよう決まっています。しかし、介護は足腰を使う業務なので無理をすると、社員の今後の生活に影響が出てしまう可能性があります。そのため、社長は特別に社員の退職を承諾しました。
しかしその1ヶ月後、介護施設が集まるイベントで別の介護施設のTシャツを着た社員を社長が見かけたとのこと。社長は声をかけて、頑張れよと言ったそうですが、嘘をついた社員は心中穏やかではなかったことでしょう。
このように、嘘をついてバレるとかなりの気まずさと罪悪感を覚えます。また転職で同じ業界に就職した場合、会社同士のつながりで、嘘がバレてしまう可能性もあります。その結果、転職先の会社での信用を失ってしまうことも。
勤めている会社を早く退職したい気持ちは分かりますが、嘘はつかない方が良いでしょう。
【まとめ】
退職理由の嘘は法律的に罰せられません。しかし、嘘がバレないようさらに嘘を重ねてしまうので、結果的に自分の首を絞めてしまうことになります。
また、稀ではありますが転職活動の面接で、以前勤めていた会社に勤務態度を尋ねてもいいかとの申し出がある場合があります。その際に、退職理由の嘘がバレて不採用になってしまう可能性もあります。
今後の転職活動に支障をきたさないためにも、退職理由の嘘をつくのはやめましょう。
退職を考えている皆さんが、清々しい気持ちで退職できますように。
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